初座長舞台Little Fandango初日。長妻怜央さん、遠くにいかないで

 

 

 

私が長妻怜央さんのお芝居をしている姿を初めてこの目で見たのがディスグーニーのDECADANCE(デカダン)という舞台だった。

 


彼を生で見るのは、安井さんと二人で出ていた新宿御苑のイベントと年末にあった7ORDERでのファンミに続いて三度目の機会だった。

 


彼がどんな風にお芝居をするのかよく知らなかった。正直舐めていた。所詮はアイドル。役者で無いと。

 


そんな風に彼を甘く見ていた自分をぶん殴ってやりたい。

 


彼が演じた、"月の子"という役。

 


周りから太陽みたいだと表される彼にとってそれは正反対と言ってもいい真逆の役。

 


稽古中たくさん怒られたと言っていた。

でも簡単にこの役をこなされた方が怖かった。

 

彼がたくさん努力して手に入れた月の子の姿。


決して評価されてはいけない生き様。


愛する人のために何故そんなに捨て身になれるのか、


中途半端なお芝居なら薄っぺらくなってしまう役だったと思う。

 


デカダンには〜太陽の子〜という副題がついていて当然だが太陽の子が主役だ。


でも、贔屓目と言われてもいい。


それぐらい彼が主役の太陽の子を食っていた。


デカダンは月の子の物語では無いだろうか。


そう錯覚させてしまうくらい、彼は完璧に美しい月の子だった。

 

 


直向きに人を愛してでも決して明るい場所で生きることは許されない。儚げに光って、日が昇る頃には消えてしまう月の子。

 

その姿に、


鳥肌が立った。


涙が止まらなかった。


天真爛漫でいつもおちゃらけていて、メンバーと一緒に屈託なく笑ってる彼しか見たことが無かったから、

 

その姿は、

彼の一番深い底の部分で、暗い闇の中に静かに灯る青い炎見た気がした。

 


笑顔の下に隠した本当は譲れなかったもの。


笑うことで気付かぬふりをしている物事の本筋。


例えそれに気付いたとしても、決して口には出さない忍耐強さ。


自分のことは二の次で、誰かのためなら何だってやれるっていう揺るが無い信念。


逆にその基盤を喪った時のガラスのような脆さ。


そんな姿が、"月の子"と"長妻怜央"を重ねさせた。

 


私は、本当にとんでもない人を好きになってしまったんだなって、恐怖すら感じ瞬間だった。

 


それと同時にこの人には一生敵わないと完全降伏した。

 

 

 


今日は私が前述した同じ劇団で、彼が初めて座長を務める舞台の初日。

 


正直私は、楽しみよりも怖い。

 


また彼が私の想像を遥か超えていくのが怖い。


遠い人になってしまうようで怖い。


もちろん手の届く人だなんて最初から思ってない。


でも、遠くにいかないでと、


思えば思うほど、


そのスポットライトの下に立つ彼の姿は表現も難しいくらいに美しく輝くんだろう。

 

 


Little Fandango初日、


私はそんな気持ちを抱えて、劇場に向かう。

 


実感は湧かない。


でも、

眠らなくちゃいけないのに、遠足の前の子供のようにワクワクして眠れなくて、何を口にしても味がしないから笑ってしまう。

 

 

幕が上がるまで、あと少し。

 


どうが千秋楽まで、座組全員欠けることなく走り抜けられますように。

 

 

 

 

 

 

それから、

 


長妻怜央さん、

 


遠くにいかないで、

 


でも、誰よりも、輝いて。

 

 

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             ゑるま